あぐらのSoloZakki

令和が始まる直前に53歳で退職しました。安定から自由を目指します。

スパイダーマン「ファーフロムホーム」は深読みは必要ないけれどよく調整された作品

作品はあまり深読みできないが製作者の意図を深読みする

前作「ホームカミング」を見て、思った以上に良かったので、新作の「ファーフロムホーム」も見てきました。スパイダーマンはこれまでも何度も繰り返し作られてきてて、(要は手堅いビジネスと見られていて)、食傷気味ですが、なんだかんだいっても、きちんと考えられて作られています。

MCUの時系列では「エンドゲーム」の直後、5年間経った人と経っていない人が混在する世界。でもこの設定、ややこやしいのでそのうち忘れられるんじゃないかという気はします。    

 本作品はピーターの高校生的日常を軸に話が展開します。高校生日常と言っても色々ありますが、あえて言えばジョジョ4部に近い雰囲気でしょうか。高校生らしい、人生これから的な明るさと軽さの雰囲気が全編を覆っていますが、心の奥底には正義の心を持っているというバランスが取れた構成になっています。感情移入はさすがに無理がありますが、普通の言葉で話す(ナイスガイ)のピーターには好感が持てます。 

無理してアクセントをつけないストーリーに好感

 まだ高校生というところからくる欠点が長所として印象づける展開のうまさや、主人公に一線を越えさせない配慮。そしてピーターをあまり成長させ過ぎないところ、未熟さを残す主人公をあまり成長させると、このシリーズの魅力が失われてしまう配慮があります。

 様々な人種からなる登場人物や、高校生的日常中心の雰囲気を壊さないように、安易に死とか衝突や挫折を使って、ストーリー展開にアクセントをつける事で、高校生的日常感が損なわれない配慮など、何度も推敲を重ねた文章のように思われる滑らかさと一貫性が感じられるよく考えられた作品でした。