あぐらのSoloZakki

令和が始まる直前に53歳で退職しました。安定から自由を目指します。

参考になった出口戦略「つみたて投資の終わり方」

早期リタイア実現後の資産運用は、退職金を積立(投信)に回すと言うよくあるヤツですが、ここ数年の米国株高・円安もあって、これをいつまで続けるか先延ばしになってます。そんな気持ち・状況にぴったりの本に出会いました。

つみたての出口戦略を書いた本

最近kindle unlimitedで東北旅行のガイドブックを探してるんですが、その関係で見つたものです(kindle unlimited対象です)

著者のカン・チュンドさんの名前は、約10年前くらいのマネー雑誌の投信記事でよく見かけた記憶があります。(電子化した日経マネーに載ってました)

(2010年の日経マネーより)

 

さっき触れた早期リタイア実現後の資産運用、2022年の現在(資産に占める)投信残高の占める割合がかなり増えました。詳しい事は以前のブログ記事で触れてます。

agura-huma.hatenablog.com

何割まで積み立てるか?将来的なポートフォリオ構成をどうするか?は今後の課題です。

増やす運用をやめられない人々

この本も、カンさんのところにリタイア期に入っても投資信託の積立をやめられない(投資のスピードを落とせない)相談者がよく来るという話から始まります。増やそうマインドが切り替えられないという点でよく似ています。

現役時代にめでたく資産を増やせても、それは決してゴールではありません。下りに備えて気持ちの切り替えを行わないと、いつまでも資産額(数字)にこだわり続けることになります

真面目な投資家ほど、ファンド解約によってそれまでの実績(努力)が無駄になると感じてしまうためです

老後の資産運用・出口戦略の事を「下り」と表現してるんですが(増やす資産運用から)引き出す資産運用へマインドセットを切り替えた時に、どうしたらいいかを具体的に提案しています。

参考になったポイント

参考になったポイントを挙げると

  • リスク資産(=投資信託)を一本化(資産管理の簡潔化)
  • 低リスクポートフォリオの提案、現金とリスク資産比(1:1)
  • 取り崩し率と想定運用利回りの決め方
  • 具体的な取り崩し方法(年1回)
  • インフレに対するヘッジ

などです。

補足すると、一本化する具体的な投信は「オールカントリー」または「8資産均等バランスファンド」「その他」を挙げてました。やはり「オルカン」なんですね。「8資産バランスファンド」はちょっと意外でした。

そして上記の低リスクポートフォリオでの平均利回りは3%を想定、実際の利回りはバラつくので、資産は逓減していく事を想定、保守的な見積もりです。

また出口戦略の引き出し率を、死ぬまでにゼロにならなければ良いと考え、想定利回りよりも1%くらい多くして、多少減り気味にしていくやり方について

agura-huma.hatenablog.com

将来のインフレでの目減りを考慮して「引き出し率=予想利回り」を推奨してました。ただでさえインフレによる目減りの可能性があるので、想定利回りよりも多く引き出さないないと言う考え方でインフレヘッジになっています。

まとめ

引き出しながら運用するリタイア生活の具体的なやり方情報は少ないのですが、この本は、出口戦略運用に切り替えられない投資家の心情の洞察や、老後のポートフォリオの内容、買うべき投信名、想定利回りまでに具体的に踏み込んで、参考になる点が多かったです。提唱ポートフォリオの3%という数字も(低く見積もる懐疑派でも)強くは否定できない絶妙なラインだったのも良かったと思います。

今回は触れませんでしたが、その他にも、投信の自動引き出しサービス、高配当株運用についての見解、iDeCoのリスク資産の中の位置づけなどもあります。実際の定率引き出しシミュレーションの結果も載っていて、480円(電子書籍専用だから?)として盛りだくさんな内容でした。