あぐらのSoloZakki

令和が始まる直前に53歳で退職しました。安定から自由を目指します。

SFと言えば、イマジネーションを掻き立てる言葉選び

今週のお題「SFといえば」、先々週まで「バックトゥザフューチャー」3部作をテレビで放送してました。さすがにこの古典的名作を語ろうと言うのではなく、気になったのは吹き替えについてです。

吹き替え(訳)が変わっていた

山ちゃんがマイケル・J・フォックスに合っていない(笑)と言うのでなく、シリーズを通した重要なワードである「チキン呼ばわり」が「腰抜け呼ばわり」になってた事です。古い作品ですから、色々な吹き替え版が存在してて、もっとも新しい吹き替え版で放送していたんだと思いますが、昔は「腰抜け」と訳してなく「チキン」だった気がします。

まあ「弱虫!」だと「小学生か」となりますし「臆病者!」だと「侍か」、「軟弱者!」だと…。「腰抜け!」はほぼ正解なんだと思いますが、今の日本人なら分かるスラングをあえて訳す必要があるのか、そう訳す事で何か損なわれた感じがしました。

ただ日本人でも分かる英語は訳さなくてもいいと言っているのではありません。例えばスターウォーズシリーズで有名な「フォースの暗黒面」という言い回し、この場合は「ダークサイド」と言うそのままでも意味が伝わる言葉を、日常生活では使わない「暗黒面」としたのは大正解だと思います。

最近なら若干「厨二病」風と言われてしまうのかもしれませんが、作品世界にマッチしている言葉選びだけでなく「暗黒面」という言葉だからこそ喚起されるイメージはあると思います。こう訳した人に拍手を送りたいです。

こだわりの邦題

自分が好きなSF小説に、アシモフの「銀河帝国の興亡」シリーズがあります。単行本も持ってましたが、古くなったので自炊化(pdf化)してあります。

「銀河帝国の興亡」というタイトルにあるように、銀河系を舞台にした、様々なSF設定を駆使した、未来を描くSF大河ドラマでもあり、ミステリ要素も楽しめる有名作品ですが、原題は「ファウンデーション」「ファウンデーション対帝国」「第2ファウンデーション」と言う地味なモノです。実際全7作のうちの後半4作品の邦題は、ひねりのない直訳系のタイトルになっています。

かなりの飛躍が入った大仰な邦題だったわけですが、実際に本を読む前にタイトルを見てイマジネーションを掻き立てるという意味で、ジェイムズ・P・ホーガン「Inherit the Stars」を「星を継ぐもの」と訳すとかもそうですが、あえて「銀河帝国の興亡」と名付けたところ、そういうこだわり嫌いじゃありません。

日本のSFタイトル

日本のSF小説にも素晴らしいタイトルのものがありますが、個人的に印象深いものとしてひとつあげるとすれば、小松左京さんの「くだんのはは」でしょう。

「くだんのはは?」という状態から読み始めて、読み終わって全て分かった後に再びタイトルを見て、ぞわぞわっとする感じが堪りません。自分はこの話を初めて読んだ時、図書館のAudioテープ版で耳で聞いたのでなおさらでした。

 
これを書いていて思い出したんですが、この話が収録されている「ハルキ文庫版」の表紙、ちょっとアウトだと思うんですが…(笑)
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