あぐらのSoloZakki

令和が始まる直前に53歳で退職しました。安定から自由を目指します。

S&P500に投資する理由の再認識

先月のブログで触れたマネー本の「サイコロジーオブマネー」。その時は「運」の話をクローズアップしましたが、それ以外の記述にも参考になったところが多くありました。どのあたりが良かったのか、もう少し詳しく紹介したいと思います。

 

いま必要としているもの

Amazonのレビューにもあるように、投資本としてこの本を見た場合、その投資のアプローチについての記述は目新しいものはありませんが、投資する人間の心理(投資行動)が投資結果にいかに影響を与えるのか視点が、既存の投資方法に対する腹落ち感が増したような感じです。

それは「(お金を殖やす)ゴールを目指していない」今の自分の状況も関係しているのかもしれません。

agura-huma.hatenablog.com

 

テールで決まる

投資本としてはありふれている点の一つとして、投資対象として「インデックス投資」を勧めています。この本はアメリカの本ですから、具体的には米国株式のインデックス投資を指します。

よくインデックス投資のメリットは、経済全体の成長の恩恵を受けるからと言われていますが、この本ではそうではないと言っています。

株式市場で得られるリターンの大半は、少数の超優良企業の株が占めている。

モーガン・ハウセル. サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット (p.99). ダイヤモンド社. Kindle 版. 

 

確かに「マグニフィセント・セブン」とか、最近では「NVIDIA」の株価上昇が、S&P500の上昇の大部分を占めている(寄与度が高い)とは言われます。

そして経済番組や新聞で、こう分析される場合には、やや揶揄的・否定的な意味(景気は回復していない)が込められている事が多いです。

 

著者はこういう偏在こそが、成功の本質の一つであると言うのです

ごくシンプルな投資戦略でも、その成功に重要なごくわずかな銘柄を外していなければ、大きな成果が得られる。

モーガン・ハウセル. サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット (p.264). ダイヤモンド社. Kindle 版. 

これを(あまり他では聞かない表現です)「テールの力」とか「テールイベント」と呼んでました。

 

この「テールの力」の例として、下記の「成功した美術品商」の話も分かりやすかったです。

diamond.jp

インデックス投資というシンプルかつ適当な投資がうまくいくのは、このテールの恩恵を受けやすいからと言うわけです。

 

頭の良さよりも行動が大切

と言うのが、この本の根本的な主張なのですが、NVIDIAがどんな会社か詳しく知っている人も、知らない人も「S&P500投資」通じて同じ恩恵を受けられると言う事は、ファイナンスの世界では「何を知っているかよりどう行動するか」の方が重要を示す例でもあります。

金融の専門知識がない普通の人でも、ごく単純な行動を実践すれば裕福になれることがある。

 

この「テール効果」を今後も投資で受けようとすれば、こういう大化け企業が生まれる確率が高い市場を探す方が確率が高く、そう考えるとS&P500投資がやはりいいのではと考えます。

もちろん「S&P500」に投資するより「NVIDIA」に個別投資した方が遥かに儲かったのでしょうし、そういう個別株投資が上手い人はそれを目指すべきだとは思います。

ただ個人的にはこの本に書かれていた、この一説にあるような人間なので、「テール効果」狙いで十分です。

我々は人間なのだ。必要以上に考えるのは好きではないし、投資以外にも考えるべきことは山ほどある。