あぐらのSoloZakki

令和が始まる直前に53歳で退職しました。安定から自由を目指します。

これからの投資戦略は「敗者マインド」が必要

今回も「サイコロジーオブマネー」に書かれていた事が、自分にどう響いたか話の続きです。投資の結果に「運」が関係するとして「他力本願」でプラスになった後、どんな投資スタンスで望めばいいのか?そう言った部分についてです。

前回も触れたように「投資方法」本としてはあまり変わった事は書いてありません。それについては、今さら新しい投資術をマスターしようとは思っていませんから、そういう部分は気になりませんでした。

投資は止めてはいけない

例えば「どう行動するか?」の一つとして長期投資を薦めています。これもよくある投資スタイルですが、その重要性をアピールする例として「バフェット」を引き合いに出してました。

バフェットの成功を読み解く真の鍵は、彼が4分の3世紀にわたって類いまれな投資家であり続けたことにあるのだ。もしバフェットが30代で投資を始め、60代で止めていたら、その名が世界に知れ渡ることはなかっただろう。

 

バフェットの成功の要因を、個別株に対する目利きでなく、ずっと投資を続けたから、投資を止めなかったという点にフォーカスしてます。もちろん著者はバフェットの才能を軽んじているわけでなく、投資の成功の鍵は継続(と言う行動)にある事を強調したいがためのレトリックです。

この部分を読んで、最近話題になった80代のデートレーダーのお爺さんや有名な桐谷さんの事を思い浮かべました。

president.jp

考えれてみれば二人とも、いずれも若い時から投資を始めて、それを継続したからこそ資産を殖やしたと言う例でもあります。

 

継続できない理由

「長期投資スタンス」は、最近では常識的な投資リテラシーだと思うのですが、案外続けられないと言う話もよく目にします。その理由は「投資経験」の長さによって変わってくるでしょう。

経験が浅い人の場合は、一時の「含み損」に耐えられなかったり、思ったよりも地味な値動きと自分の欲望との乖離で、投資を止めてしまうのでしょう。

 

本書では「投資経験の長い」人が「退場」しがちな「投資行動」について取り上げています。

お金の問題も同じだ。「こうすれば儲かる」という話はたいてい、勝てる確率は高い。だが95%の確率で勝てるものは、5%の確率で負ける可能性があるということだ。長い目で見れば、人生のいずれかの時点でほぼ確実に悪いことが起きることになる。 その悪いことが起きたときのコストが人生を破滅させるようなものならば、残りの95%の良いことは、どれほど魅力的に見えてもリスクに見合わない。

モーガン・ハウセル. サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット (p.176). ダイヤモンド社. Kindle 版. 

馬券を買った経験がある人、特に「複勝転がし」をした事がある人には分かり身が強い話だと思うのですが(苦笑)一度外れたら(それまでの儲けを)全てを失うような、株(投資)で言えばコツコツドカンな目に合う事です。

 

また投資で結果を手に入れた後に、さらに求める基準を上げるような事も「ゴールポストを動かすな」と注意しています。

すでに手にしている大切なものを、不要なものを得ようとして失ってしまうことほど無意味なことはないのである。

モーガン・ハウセル. サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット (p.59). ダイヤモンド社. Kindle 版. 

 

自分に照らし合わせると「運良く」資産が増えた事で現状で「不要なものを得ようとして重要なものを失う」ような投資リスクを取っていないかを考えさせられました。

「ゼロで死ね」では、いつまでも働く事で「使わないお金」を稼いでいないか?と警告してましたが、それに近いニュアンスを感じます。

 

「敗者マインド」で「敗者のゲーム」に参加する

これらの事から「投資の継続」と「生き残る」事をこれからの「投資スタンス」としてととるべきだ。特に優先すべきは「サバイブ」する事でしょう。

 

さきほど2人の老資産家に触れましたが(お二人とも)バブル崩壊と言う「退場の危機」を乗り越えて、踏みとどまることができたからこそ、長期投資の恩恵を預かったと言えます。

早期リタイア前の話ですが、その頃呼んでいた投資系早期リタイアブログ(今は無い)で、リーマンショックやライブドアショックで退場しなかった人は、投資が下手な人と書かれていたのを記憶しています。その逆説的な表現に納得感を感じ、投資ヘタとという自己認識を持つ事には抵抗はありませんでした。実際にこのブログ初期からそう書いています。

agura-huma.hatenablog.com

「投資」が「敗者のゲーム」と言うのは有名なチャールズ・エリスさんの言葉ですが、それだけなくて、投資の才能がない「敗者マインド」を持ち合わせている事も、必要なマインドセットになるのではと言う事、この本と自分の体験を通じて感じました。