年金じゃなくて現金の問題?
今週の週刊朝日や週刊ポストには財政検証結果の記事が載ってましたが、それらのまとめを見ながら、改めて検証結果の内容を考えてみると年金問題のリスクが年金が実質的に目減りする事にある事が分かります。ただよく考えてみるとこれは年金問題なのか?という疑問も浮かびます。
現金の価値が目減りするという事は
この検証結果は広い問題を投げてかけているのが分かります。シナリオに共通するのは将来において受給金額は減らないもしくは増えるが、現役世代の収入上昇やインフレ上昇に追随しないので、例えば平均シナリオでは約30年後に2割目減りすると言ってます。
となると、もらえる年金の額の問題でなく現金の価値の話になります。年金額は減らないけれど、現役世代の給与が上がっているから実質減っている言う事は、例えば1000万の現金があっても、30年後には今の価値で言うと800万円の価値にしかならないと言う事です。さらに年金の場合は多少は追随(名目上は増える)しますから、ただの現金のまま持っていると、名目上は増減しませんが(実質的に)2割以上減る事になります。
同じ額面の現金では(将来)足りなくなると言うことは、逆の見方をすれば生活費が2割くらい上昇するという意味で、今月15万で暮らしている人は30年後には月18万円必要になる訳です。30年後2割減ということは0.2/30=0.00666...。毎年約0.6%ずつの上昇になります。
これまでは70歳を超えたらそんなにお金を使わないから想定生活費を低めに逃げ切りシミュレーションしてましたが、減らさずに計算する必要があるかもしれません。
いわゆる「老後2000万円問題」もキャッシュで2000万だと実質不足になってしまい、老後資産はインフレヘッジ前提になってしまいます。こうなるとかなりの大問題な気がしますが…。
そこまで現金の価値の目減りを問題にするなら年金世代以外の現金資産に関係する問題ですし、実はその深刻度が数字程たいした事がないとするならば、年金の問題もたいした事ではないのかもしれません。また日本にインフレは本当に起こるのかという話もあります。ただどちらにしろ30年後と言えば80歳を越えていますし、心配しなくてもいい存在になっているかもしれませんしね。