あぐらのSoloZakki

令和が始まる直前に53歳で退職しました。安定から自由を目指します。

映画「Yesterday」感想(もしも映画はなぜよく作られるのか?)

もしもボックスドラえもんの定番

もしも自分以外「Beatles」を知らない世界だったら?という着想は「ドラえもん」のもしもボックス系エピソードをすぐに連想し、どんなオチで勝負する映画なんだろう言う興味を持って見に行きました。とは言ってもネタバレはしません。

 

いわゆる「もしも◯◯な世界があったら?」という現実では決して発生しない状況の物語、これを始めるのは簡単ですが終わらせ方は結構大変です。日本では主人公が調子にのってひどい目にあうラストが多いですが(「ドラえもん」から「笑うセールスマン」のようにひどい目の程度がありますが)そういうオチは今では安易に過ぎて食傷気味です。

この映画は日本映画でもないですし、ドニー・ボイル監督ならばいうそういうラストにはならないだろうとは思ってました。

 

当然どんなオチだったかについては言及しませんが、振り返ってみるとビートルズ」を知らない世界という「if」は絶妙な「if」だったと思います。

 

  • 誰も「ビートルズ」を知らない世界で勝手に「ビートルズ」を歌う事が悪い事になるラインとは?
  • ビートルズ」の知名度とヒット曲の多さが、「if」世界での個別のシーンの説得力を増している。他のミュージシャンだったとしたらだときっと難しい。
  • 新鮮さの面でパンチの弱いプロットもビートルズの曲を流してしまえば盛り上ががる。

 もちろん監督の映像表現力の手腕もありますが、音楽映画?の強みを感じました。

 

 2時間近く映画を見ていると段々と映画に没入していきますし、力のある監督が丹念に主人公の人間関係を掘り下げていきます。ヒロインの女優さん(リリー・ジェームズ)は今回の映画ではとても存在感のある演技をしてましたし、それにちょくちょく「Beatles」が演奏されますしね。オチよりもドラマ性に惹かれていったかなという感じがします。

 

ただあくまでも「もしもボックス」カテゴリーの映画なので魂を揺さぶられるとか人生を見つめ直すとはないです。(期待はして見る人は少ないと思いますが)その上でよく出来た映画でした。 

 

最後に一言感想で

「よく見つけてきたなあ」