フランス映画のシティハンター
有名マンガの実写化と言うとこれまで数々の迷作が浮かびますが、ちょっとした凸凹感を感じるものの、原作をよく分かっていると感じる愛と敬意に溢れた作品でした。
監督オリジナルと原作へのリスペクト部分
今さらですが、シティハンターのお話は基本的に「メインストーリー」と「お色気・ギャグシーン」と「ちょっと重めの二人の関係描写」で構成されており、今回の監督は(作品に対する愛と敬意から)忠実にこの構成で作品を作っています。個人的には「お色気ギャグシーン」「実は重い二人の関係」を実写で見ていて結構気恥ずかしいし、もう少しさらっとして欲しい(マンガだと数コマだし)という部分があり、それ以外のオリジナル部分メインストーリーとの凸凹感を感じたわけです。
オリジナル部分については「惚れ薬」というキーアイテムをうまく使ってエピソードを発展、膨らませていくセンスの良さがあり、なかなかの濃いサブキャラ達をうまく動かし、ちょっとしたギャグの挟み方や先を読ませないストーリーなど、シティハンターでない部分もうまく作られていました。それまでの設定を活かした上手いオチがきちんと作れる作家はなかなか稀少です。
マンガの実写化の場合には作り手側の妙な自己主張がコレジャナイ感を出す事が多いですが、原作をリスペクトしつつ、作品世界を壊さず、監督のオリジナル部分はそれはそれで面白いというバランス良い作品です。最後はあの曲で締めるとか、本当によく分かっているなあと思いました。