あぐらのSoloZakki

令和が始まる直前に53歳で退職しました。安定から自由を目指します。

「シン・仮面ライダー」と「公私混同」の難しさ

先週公開になった「シン・仮面ライダー」を見てきました。ネタバレはありません。

公開前の映像のトーンから、内向的な作品になるか「フリークス(異形)もの」なのかなとか思ってました。

「シン・仮面ライダー」は、庵野監督のシン○○シリーズの3作目になるわけですが、その2作品との差を考えみると、岡田斗司夫さんがYoutubeで、アメリカでは登場人物のプライベートが見えない「ヒーローもの」は「子供向け」を見なされると語っていたのを思い出しました。

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「シン・ゴジラ」とか「シン・ウルトラマン」は、変わった言い方をすれば「はたらくおじさん」の格好よさを描けば良かった作品でした。

何を言いたいかと言うと、登場人物は「仕事」として活躍するわけで、仕事に対する矜持とか「制服」のカッコ良さなどなど仕事の様子を描けばよく、プライベートな部分は省略されていると言うか、描く必要がなかったわけです。

 

一方今回の「シン・仮面ライダー」は、その点は大きく異なり「仕事」で「ショッカー」と戦っているわけでない、どちらかと言えば「公私混同」な状態です。登場人物の生い立ち、家族構成とか「プライベート」がストーリーに大きく効いてきます。

と言う事で、監督が描く登場人物のプライベートな事情にどれくらい共感できるか?という部分が感想に直結するのかなと言う気がします。

 

もちろんお金もかかってますし、旧作の「菊池サウンド」も流れるし、ビジュアルとエフェクトからも仮面ライダーらしいケレン味やノスタルジーも感じられました、また思った以上に豪華な俳優陣でした(笑)

 

初耳の単語を全部セリフで済まして理解が追いつかないとか、マスクをかぶったままのセリフがそのまま流れてて聞き取りづらいとか、SF考証的な「謎理論」とかは大目にみても、今回描かれた登場人物のプライベートな事情はあまり共感できず、陳腐で退屈でした。

プライベートを全く感じさせない登場人物は今作品にも出てくるんですけれど、そちらの方が魅力的と言うかいい味出しているんですね。

 

共感できるかどうかの部分は、あくまで個人的な受け止め方ですが、そういう面が大きい作品だったと言う部分と、その点で前2作とはちょっと毛色が違う作品になっていたと思います。