昨年の年末に、文春オンラインの記事で加藤諦三さんの名前を見つけて、懐かしい気持ちと同時に驚きがありました。
隠れている本心と言う気づき
今から30年以上前の話ですが、大学生になったばかりの自分は、支配的な父親の影響をもろに受けていて、周囲の期待に応えようとばかりする、本当の自分の無い「共依存」の不安を抱えた状況でした。
そんな自分の状況を明快に説明してくれたのが、当時出会った加藤さんの本でした。
そもそも自分が「共依存」だという分析は加藤さんの本を読み把握できた事です。問題の原因が分かった事で、少しずつ自分を変えていく事ができました。また基本的に年月が(親が年をとると)解決する話でもあります。
1年位で本の助けは必要無くなったのですが、かなり集中して読書したおかげで、人間の言動の裏に潜む本心(隠された承認要求、自己愛、支配欲)のパターンに詳しくなりました。
立派な意見の無効さ
そんな加藤先生が「テレフォン人生相談」をやっていたのは知ってたんですが、聞いた事はありません。それが今も続いていることに驚きました(83歳という年齢にも)
興味と懐かしさで記事を読んだのですが、その中に良識のある意見は悩みの回答にならないという意味の事が書かれてました。
「テレフォン人生相談」がなぜ長く続いているかというと、表向きの立派な回答や、相談者が気持ちよくなるための回答をしないで、本当の問題をいつも探しているからです。悩みの回答の敵は良識ですから。
これを読んで思い出したのが、FIRE志望者に対する批判記事の話です。
ここで「職業的成功がもっとも確実な自己表現」であるから働かないのは損という、FIREムーヴメント批評に対して
「職業的成功による自己実現が大切」という意見です。
(まー50代に向けたメッセージではないでしょうが…)人によっては、ここで提案された価値観を変えさせるような経験があって、FIRE志向になったのかもしれませんから、そういう人には響かないでしょう。
こんなふうに「職業的成功が自己実現」につながらない経験があったから、FIRE志向になったかもしれない、と言うちょっと狭い反論をしました。
それよりも、表向きの立派な回答は、問題の解決にはならないの方が「職業的成功による自己実現が大切」という生き方に忠実なだけでは、FIRE志向者に響かない理由をよりスマートに表現しているなと感じました。
ただこれも、普段から悩みに向き合っている人が言うと説得力があるわけで、このインタビュー記事とセットで使った方がいいですね。
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