今週は為替が急に動いて一時は約5円の円安が進みました。米国株投信などのドル資産を円建てで持っている人にとっては、それほど悪い話ではありません。
経験した事のない急な円安
145円にはギリギリ到達しませんでした。こういう区切りの数字はやはり区切り、天井として意識されるんですね。
驚いたのは、28年ぶりと言う為替水準だけでなく、たった約2日間で5円も円安となったというスピードの速さです。
7月にApple製品の値上げがあった時、値上げ前に買っておかなかった事を後悔しましたが、こうなってみると
「7月の値段はまだ安かったな」と半年後に振り返っているかもしれません。まさに「今日の高値は明日の安値」状態です。
また円安になると出てくるのがこういうニュースです。
外貨預金の利回りは、為替手数料と為替変動リスクを上回れないと思うのですが。こういう個人勢の参加の動きが出てくると、一般的には天井と言われますが。
これだけ毎月のように円安が進んでいると、今年どれくらい円安が進んだかがわからなくなってきましたが、約2割だとニュースで言ってました。
株高が資産高につながらない未来
今年の円安が、米国株投信でがっつり資産運用している自分にとって米国株安の資産減ヘッジとして働いた事は、めぐり合わせが良いと言うか(為替の予想は難しいという意味で)運がいいと受け止めていました。
けれど為替差益だけで名目上の運用成績(円換算)が2割変わってしまった事が長期的に本当にいい事かどうかは若干疑問に思い始めています。
今の円安は日米金利差が要因の一つですから、日銀の政策変更(無いかも)米国の利下げ(こちらはある)でも円高になります。来年以降はその可能性の方が大きいでしょう。
シンプル言えば、今年は米国株安を円安でヘッジしてくれたが、来年以降は米国株高が円高で打ち消される年もあるという事です。
米国株式の平均運用利回りは4~6%と言われてますから、20%の円安はその約4~5倍程度です。日本人からみれば5年分の米国株式の運用成績を為替差益だけ実現していて、今の円安で膨らんだ資産残高は、将来の資産の高値を先取りしてしまった状態ではないかと思うわけです。
例えば、これは自分のWealthNaviの運用状況ですが、円建ての含み益は、ドル建ての含み益を大幅に上回っています。これが米国株安より為替差益が上回っている状態ですが、
この先日米金利差が小さくなって円高になった場合、多少の米国株高があったとしても円建て資産は増えるでしょうか?
入金すれば増えるという話は別として、今のプラス55%と言う数字はなかなか越えられないんじゃないかと思います。
為替の予想ができるなら(いやできない)
来年の円高と言うのは教科書的な予測の一つで、もっと円安が進むかもしれません。まあキャピタルフライトとかハイパー円安とかの極論は信じてはいませんが、万が一という事はあります。
また円高になる前に円転してしまえば問題ないですが、それも自分にとっては(机上の空論)極論のひとつです。だからと言って米国株式投信投資が間違っていると思っているのではなくて、円安が止まった後はしばらく資産(含み益%)は増えづらいんじゃないかと言う数年間の見通しを持っています。