自分がこうして早期リタイア達成できたりとか、FIREがブームになったりしたのは(変な言い回しですが)「文明」の発達のおかげだと思っているんですが、もう一つ変な言い回しをすると、早期リタイア生活を続けていくためには(自分の)「文化」を育てる要素も必要だと感じてます。
「文明」と「文化」の違い
「文明」と「文化」の違いのニュアンスについてですが、昔読んだ司馬遼太郎さんのエッセイの一節に「腹落ち感」があったのですが「細部」についてはもう忘れていました。
さすがネット社会、探せば見つかるものです。
【ビブリオエッセー】文明と文化から見た大国 「アメリカ素描」司馬遼太郎(新潮文庫) - 産経ニュース
文明は「たれもが参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの」で文化は「むしろ不合理なものであり、特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもの」だという。
アメリカはその普遍性(文明)をどこよりも生み出す国ではないかと指摘する。それは今も大きく変わってはいないと思う。
「文明」と言う表現が大げさ過ぎる「文化」と言うと高尚過ぎると言うなら、それぞれ「スタンダード」と「ユニーク」と言い換えましょう。
標準化した早期リタイア情報
最近の「早期リタイア情報」を丸めて言うと「どうしたら安く生活できるか」「どうしたら資産が増やせるか」についての情報です。この「資産形成」「節約」など最近のマネリテには普遍性と再現性があり、これが今回引用した「文明」の定義と重なります。
ここ数年で早期リタイア達成(経済的自立)のための情報がスタンダード化されて、早期リタイアのハードルが下がったと感じます。
ただ早期リタイア生活して楽しい(幸せ)かとは話は別でしょう。理由は簡単で「早期リタイア情報」は「手段」だからです。「お金」があるから幸せかと言う話に似ています。お金も基本「手段」です。「お金」はまたちょっと違うところがありますが、ちょっと話がそれますね。お金は疑似目的化しますが、早期リタイア情報はそうはいかないですね。
「目的」や「趣味」がある人ならば
「手段」と言えば、良く出てくるのは「目的」ですが、早期リタイア生活に目的を持てとかは言いません。「目的」とか「趣味」は〇〇とか、多くの人にとって人生は基本そんなに大掛かりではないし、大半の人の「人となり」輪郭ははっきりしない(解像度が高くない)と思ってます。自分もそうです。
個性と言う意味では、50過ぎまでサラリーマンを続けている事から言っても、社会に従順で、いわゆるユニークな人間ではないでしょう。だからこそ手段として早期リタイア情報スタンダードを取り込み易かった面もあると思います。
かと言って、サラリーマン生活を全うせず、早期リタイアを志すところがあると言う事は、多少はユニークなのかと思います。「ささやかなユニークさ」を持っていると言ったところでしょうか。
ある種の発想の転換
以前、早期リタイア生活を「一人旅」に似ていると書いた事あります。
そしてリアル一人旅の方でも記事を書いていますが、節約に徹するわけでもなく、体力勝負をするわけでもなく、穴場を見つけるでもなく、よくある観光地を回る、これと言ったカラーがあるわけでもない、よくある内容です。
ただ色々と旅行をしているうちに、事前に多く調べる事、乗る列車を予め決めて移動する事、各地の博物館を巡る事などが好きな事が分かってきました。ささやかな自分のスタイルです。かと言って、人とは違う事しているなんて言うつもりは全くありません(苦笑)自分が楽しければいいと言う話です。
些細な事を楽しめないと(早期リタイア生活は)大変だと言う事でもありますが、「合理的でもなく経済的でもなく自分にだけ通用する事」と言う点と、かと言って独りよがりを突き進めという事でない、肯定的なニュアンスが伝わるように「文化」を育てると言う表現にしました。