あぐらのSoloZakki

令和が始まる直前に53歳で退職しました。安定から自由を目指します。

「現金クッション」と取り崩し生活の簡単でない未来

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昨日は投信の複利効果に対しての懐疑的記事を紹介しましたが、今日は4%ルールなど運用しながらの取り崩しで資産寿命を延ばす事(半永久化を)想定している早期リタイア生活(FIRE生活)に対しての記事の話です。

 「悲劇」とかよくある狙い気味なタイトルなので、中身を訝しみますが 

president.jp

実際の内容の方は、FIREの概要説明から考えられるリスクの指摘と現実的なアレンジの提案という至極まっとうな内容でした。この中で個人的に興味を持ったのは、具体的なサンプルを用いた取り崩し運用のシミュレーション結果の部分です。

「4%ルール」検証シミュレーション

仮に1億円のFIRE資金があって、GPIF(公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人)と同じ利回りで各年度(2001~2020年度)の収益をあげ、そこから生活費年400万円を引くという試算をしてみる

(仮に20年前にFIREして)1億円(400万円×25年分)のGPIFポートフォリオ相当の資産があったとして、年400万の取り崩し生活をしながら、20年で1億円はいくらになるかというシミュレーションでした。具体的な数字は記事にありますが

一度も1億円を上回らないばかりか、2020年度末は8000万円強まで下がっています

GPIFの期待運用利回りが4%なのか?という疑問もありますが、ここで思い出したのは

「FIRE 最強の早期リタイア術」に書いてあったFIRE達成後の取り崩し開始直後の最初の5年間で前年比率がマイナスだった年はリスク資産から取り崩しをせず、あらかじめ5年分の生活費を用意しておくという「現金クッション」という考え方でした。

agura-huma.hatenablog.com

今回の例で示された20年で2000万円程度の目減りは許容範囲な気もしますが、せっかく良い資料があるので、このケースで、年率マイナスになっている最初の2年間は400万円の引き出しをしないでケースで同様のシミュレーションしてみました。

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2020年末の残高は9,892万円でした。「現金クッション」を用いない場合より約1800万多く残っています。2年間引き出ししない800万円分を考慮しても、資産の目減りを減らせる効果はあるように思えます。

 

やはり1億円は割ってしまいましたが、(7200万引き出している訳ですし)20年後に1,000万円しか減っていない状況は個人的には十分と感じます。

取り崩し戦略は一定じゃない方がいいか?

積立投資という手法は、下がる事を前提とした投資方法でもあり、下がった時の心理的ヘッジの意味もあります。そういう意味で運用しながら取り崩し(だけ)生活の事をこう言ってます。

取り崩しを前提とし、新規積立が行われない資産運用というのは明るい未来を約束するほど簡単なものではないのです。2020年度のような高利回りをFIRE直後に2、3回享受するような幸運がなければ、資産の減少は避けられないでしょう。

取り崩し生活中の資産が下がるのを眺める時期・期間を、本当に平穏に過ごせるのか?早期リタイア後、上昇相場しか経験していない(下がっても1ヶ月だった)状況だとなかなか想像しづらい心理状況かなと思います。

 

今回のひとつのシミュレーション結果を見ると、下がっている(年率マイナスの)年は取り崩しをしない方が資産寿命を伸ばせそうにも思えます。

それを「最強の早期リタイア術」で書かれているように、最初の5年間に限定するか、もっと拡大解釈して下がっている年全ては取り崩しをしないとするかはもう少し考えてみたいところです。

また逆に上がっている年は取り崩しても20年後に問題がないのなら、手元のキャッシュに余裕あっても取り崩して(年率マイナスの年に)備えた方が(資産寿命面から見た場合)いいのかという仮説も浮かびました。

 

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