はじめて投資を始めた(18年くらい前)当時、投資本には色々手を出しました。そんなちょっと昔の本で、今も何かしら役に立っていると思うのが内藤忍さんの「資産設計塾」だったりします。
株式売買が個々の戦術の組み合わせだとしたら、複数のアセットを組み合わせて、ポートフォリオの合成利回りで資産運用するという戦略をはじめて知ったのがこの本です。
資産運用の戦略を初めて学ぶ
ただ投資イコール株の売買だと思っていた頃だったので、基本ほったらかしで年に一度リバランスするだけでお金が増えていくというのがイメージできませんでした。株式の短期売買とは真逆のスタイルですからね。
もちろんこの本を読んですぐに資産が増えたという事はなかったのですが、今はこういう概念で投資先を分散させて運用していますから、タイミング(いつ知るか)の問題です。
内藤さんは近年は全く違う投資推し(ワイン?)に変わってしまって、それはそれでちょっとびっくりしたのですが、そんな内藤さんがFIREムーブメントについてコメントしてました。
ブームにはそれなりの背景がある
バブル期の雇用環境を背景にフリーターが溢れた事を引き合いに、今のブームは良好な株式市場を背景に起きているんだろうという見解を語ってました。
雇用環境が激変しフリーターブームが終わったように、金融マーケットの投資環境が激変すれば、FIREブームも終焉するのではないかと思っています。
自分もこのFIREムーブメントブームの背景には、米国株高が同時に進行している幸運が大きいと思っています。
株高はいつまでも続くかないかも、という疑り深さは「投資のトラウマ世代」は抱きやすい気持ちかもしれません。
ただタイミングよく久しぶりに大きな投資環境への不安要因が発生しました。
壮大な理想主義の実験
この恒大集団リスク、昨日のニュースを見ると心配される償還日は実はこれからと言う事なので、中国政府が潰れないように手を打つならそこまで大騒ぎする事はなく、手を打たないなら「これからがほんとうの地獄だ」状態となるでしょう(騒ぐタイミングがちょっと変)
問題は中国政府が手を打つのか?という事ですが、最近「ゲームのやりすぎの弊害」や「富の集中による格差拡大」という中国に限らない問題の解決策として、ゲーム禁止の法律施行とか巨大企業に寄付の事実上強制等「間違ってはいないけれど、そこまでやるか」的な手段をとってきてます。
この流れで言えば「大きいから潰せない」より「経営破綻した企業は淘汰されるべき」という正論を優先させる可能性はそれなりにあるのではと思います。だからこそこれだけ動揺が広がっているのでしょう。
恒大集団の今後返すべき借金の予定を聞く限りは、結構長引きそうな気がします(=米国株高もこのあたりで転機)
「いざとなったら働けばいい」を言い換えると
投資環境の悪化でFIREに失敗すると言っても、普通にFIRE目指して頑張っている人の場合は、長期資産運用に切り替えればいいだけです。気をつけるのは早く資産を増やそうとしてハイリスクな投資をしている場合とすでにFIRE達成後で運用しながら取り崩し生活をしている場合です。
そんな取り崩し生活者に対するリスク指摘が印象的だったので引用しておきます。
生活するためのお金が足りなくなれば、再び仕事に戻らなければいけません。といっても仕事のブランクが長い人のできる仕事は限られています。
それまでやっていた仕事以上に、自分が本当のやりたくない仕事をやらざるをえなくなる可能性が高くなってしまうのです。
「いざとなったら働けばいい」の言い換えですが、言い方ひとつでずいぶん印象が変わるものです。