あぐらのSoloZakki

令和が始まる直前に53歳で退職しました。安定から自由を目指します。

「4%ルール」は保守的か?

早期リタイア達成後の取り崩し生活(出口戦略)のバックボーンとして有名なのは「4%ルール」ですが、この理論をそのまま実践している早期リタイア生活者は、日本ではいないだろうなあと思っています。

 

見えない利回り

そう考えると、再現性は無いのに(日本では難しい)アテにされる理論と言うのはなかなか興味深いです。何か近い話を考えると、料理本に書かれたレシピを正確に再現しなくても、参考にして自分が満足ができるレベルのモノ(近いもの)ができればOKと言った感じでしょうか。

 

4%ルールが日本で再現できない理由は、為替の問題と本家(4%ルール)の「債券とS&P500」と言う同じポートフォリオが組みづらいからでしょう。ポートフォリオや為替には目を瞑り、要するに「運用利回りと同程度の引き出し率で取り崩せば資産は減らない」と言う「理屈」を利用している人はいるんじゃないかと思います。

 

自分の場合も、資産ポートフォリオは4%ルールのものではなく、自己資産全体の合成利回りとリスクも数字化できてません。分かっているのは(合成利回りは)ゼロじゃないと言う事ぐらいです。そして見えない利回りを4%にするのは早期リタイア前の見込みとして甘すぎると思っていました。

 

4%出口戦略は保守的か?

そんな出口戦略で想定する運用利回りについて、最近面白い動画を見かけました。

youtu.be

最初に言っておきますが「8%ルール」でググっても、日本語で特に引っかかる事はありませんでした。

簡単に言えば、4%と言う数字は保守的すぎる数字で、4%ルールを実践すると(多くの場合)資産は殖えていき、お金が無駄(使わないお金が発生する)になってしまうと言うものです。

最近の相場事情に影響された慢心感のある意見に見え、投資情報と言うよりは、Youtubeにありがちな、ちょっとしたフリの類だと思っていたのですが、考えてみると一概にそうではないかもと言う気がしてきました。

 

4%ルールで失敗するのは運の悪い人?

考えてみればこの4%と言う数字は、過去30年間のバックテストから導き出された数字です。そのテストケースの中で「ブラック・スワン」な暴落が発生した悪いケースに寄せた数字で、それ以外のケースにおいて殖える事が多いのは当然です。

 

また4%ルールが失敗するケースは、取り崩し初期がマイナス運用と重なる場合(シーケンス・オブ・リターンリスク)と言われています。

www.dir.co.jp

よほどの運が悪くない限り、4%ルールを実行すれば資産は殖えていくと考える事もできます。

 

「ブラック・スワン」があると思うか?

そう考えると、4%ルールが保守的なのかという見方は、市場における「ブラック・スワン」の発生確率をどう捉えるか次第かなと思います。「起きないと思われている事≒起きない」と考えれば、確かに保守的な数字でしょう。

 

逆に「絶対起きないと思われているが起きる事」と捉えると、出口戦略期における想定外の利回りによる資産増は「ブラック・スワン」な大暴落があった場合の「マージン」に過ぎない事になります。ただこれだと4%以上の利回りで資産が殖えても嬉しくないし、いつか大暴落で資産が減ると思っているなら、最初からリスク資産を減らした方がマシです。

 

「ブラック・スワン」があろうがなかろうが問題のない戦略探し

何らかの利回りが発生するだろうぐらいのアバウトさで始めた運用ありきの早期リタイア生活ですが、ここ5年近くで(円安もあって)思った以上に資産価格は上がりました。

早期リタイア前には、下落局面の心配もしていました。そして下落局面も確かにありましたが、それを乗り越えて上昇してきました。

そう考えると、みんなが思いつくようなリスクは出口戦略上のリスクでは無いのかもしれないと言う気がします。

agura-huma.hatenablog.com

 

長期運用で資産形成をしている時期なら「ブラック・スワン」が起きようが起きまいが関係ありませんが、出口戦略を考える時期になるとさすがにそうも言ってられません。タイミング次第では老後設計が大きく狂います。

出口戦略で「ブラック・スワン」に備えるリスクヘッジ自体は「金(ゴールド)」かなと思います。ただこれだと起きる前提の態度ですから、何か違う気もします…。何か変な命題みたいになってきましたが「すぐには起きないでしょうから(笑)」じっくり考えます。