あぐらのSoloZakki

令和が始まる直前に53歳で退職しました。安定から自由を目指します。

5年ぶり「財政検証」に感じる「早期リタイア環境」の変化

昨日のニュースで、今年4月から年金支給額が「バブル期以来最高の伸び率」で引き上げられると報じてました。ただ実質的には目減りだそうです…。

 

年金支給額とマクロ経済スライド

これがいわゆる「マクロ経済スライド」発動と言つやつですね。

詳しい事はこちらに書いてありました。

日本年金機構のマクロ経済スライド説明ページ

キャリーオーバーするとか恐ろしいです。またQ&Aコーナーにはこうありました。

平成16年の年金制度改正によって、将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう、最終的な負担(保険料)の水準を定め、その中で保険料等の収入と年金の給付水準をマクロ経済スライドによって調整することになりました。
マクロ経済スライドを行うことで、年金制度の長期的な給付と負担の均衡が保たれるとともに、将来の年金受給者の年金水準の確保につながります。
また、少なくとも5年に1度行われる財政検証において、年金財政が長期にわたって均衡すると見込まれるまで、マクロ経済スライドによる調整が行われます。
次期財政検証は、令和6年に予定されています。

年金支給額を調整(セーブ)する事で、長期的に年金支給できる(将来の年金財政が破綻しない)ようにするこの方法、いつまでやるかは「財政検証」で決めるとあります。

 

5年前の財政検証

そんな「財政検証」が今年ある事にも、昨日のニュースで気がつきました。

 

5年前、早期リタイアを実行する直前のころ「財政検証」に大注目してました。

agura-huma.hatenablog.com

(あれからもう5年も経とうとしてるんですね…。)

 

年金制度の変更(たとえば年金支給開始年齢の引き上げ)は、早期リタイアの計画の金銭面(逃げ切り計算)に大きく影響します。5年前の当時、支給開始年齢の繰り下げはさすがに無いだろうと思いつつも、ねんきん定期便の記載額の8割で逃げ切り計算し、開始年齢が68歳になった場合もシミュレーションしてました。

そういう心配は杞憂に終わり、2019年の財政検証では年金支給開始年齢の繰り下げはなく(66歳以上も選択可能になった)ねんきん定期便の予定年金額にも変化もありませんでした。

前回よりは気楽?

あれから5年、更に年をとりましたし(笑)もし今回年金受給開始年齢引き下げがあったとしても(無いと思いますが)その対象年齢になる可能性はかなり低いと勝手に思っているので、前回よりは深刻に考えていません。

またここ5年間、相場環境、投資インフラの発展に恵まれて、資産も殖えて多少マージンもできています。

さらに「老後2000万円問題」であんなに盛り上がった事を考えても、国はドラスティックな変更はしてこないだろうと言う見込みですが、どうなる事でしょうか。

インフレと年金

話を「実質的な伸びがマイナス」に戻しますが、名目賃金が3.1%の伸びと言っても、すべての労働者の給料が3.1%上昇しているとは限らないわけで、物価の伸びの方も、全商品が一律3.2%上昇しているわけでもないでしょう。

そう考えると(年金支給額が)2.7%上昇すると言うのは大きいと言うか、それはそれで及第点じゃないかと言う気もします。

見方を変えると、単利で2.7%の利子が付くわけです。そんな無リスクの金融商品なんて存在しませんから、そう思えば「インフレ時代」は年金もバカにならないなとも感じます。そして、それほどの金利(利子)」でも(インフレだと)実質的には殖えてないと言うのは、おそろしい事です。

5年間で変わった事

インフレの無かった5年前の逃げ切り計算は、シンプルにちょっと余裕を持たせた生活費に早期リタイア年数の掛け算でだいたい合ってましたが、インフレ時代(現金の価値が目減りする事)を考慮すると、「早期リタイアにいくら必要なのか」の判断は5年前よりも難しくなった気がします。

さっきの話で、資産が5年前より殖えたと書きましたが、これもインフレ(物価上昇分)を考えると3%くらいは差し引いて考えた方がいいとも言えるんでしょうが、結構大きい数字で、油断しないようにしないといけません。